Point0.Shibuya/Tokyo(詩の交差点)
絶え間なく行き交い続けるわたしとあなたとだれかの、その微かな共有空間はけれども確かな想像の一歩となってゆく。
十の詩人が織り成す巡り合わせのポエトリーリーディング企画。
整えようとするとはみ出してしまうもの、
不確かさの中でこそ鮮やかに立ち上がる音や風景や手応え、
書き手の言葉を辿る時、しばしば呼び起こされるのは、そうしたものの感触だ。
『寝相』、『愛と人生』、『死んでいない者』の作者、滝口悠生。
そして、この度はもう一人、小説家の横に座っている人物が。
「俺の余暇のために書いてくれていると思っていた」と呟くのは
ミュージシャンでカレー愛好家の、幸せ一郎。
十代で滝口悠生と出会い、デビュー以前から滝口作品を読み続けてきた。
にぎわう週末の居酒屋で、たゆたう二つの声は小説家の過去と現在を巡る。
日々を生きていく中で、自分自身と世間とのあいだにズレを感じたことはないだろうか?
ズレから生じる違和感を起点にして、見慣れたはずの日常を変質させ、異界へと導いてゆく、
そんな類まれなる観察眼とユーモアを備えた小説家がいる。
小山田浩子だ。
今回は遂に文庫化した芥川賞受賞作『穴』を中心に、
作品世界の魅力や裏側、書くこと・読むことへのこだわりを
人生のパートナーであり、一番間近でその才能を感じている、旦那さんを交えてお話を伺った。
花から花へ、蜜を集める蜜蜂のように。
あれも、これもと、棚から棚へ手が伸びる。
1冊抜き取って、ページをめくり、戻し、また抜き取り……。
目の前に広がる魅惑的な本の海。その1冊1冊に綴じられた世界に溺れる。
ソビエトの絵本、昭和の幻想文学、フランス映画のポスター、妖怪漫画……。
古本屋、それは人から人へ渡り歩いてきた本が漂着する場所。
今回読むのは、そこに魅せられた一人の男の物語。
永遠に広がり続ける本の海を泳ぐ男の、現在進行形の物語。
JR京都駅の八条口から東にまっすぐ歩いていくと、団地やマンション、ホテルに囲まれた一帯が現れる。京都駅近辺の喧噪とは無縁なままに、【Sol.】(ソル)は東九条の一角で店を構えている。