anomura

すてきな声に、会いにいこう
Illustrated by © 2017 タジマ粒子 / TAJIMA PARTICLE
place - 台湾, 新北市, 瑞芳区, 九份茶坊

台湾の北部に位置する街「九份」
かつて金鉱で栄えたこの街の、過去に飛んでみる。
山麓から鉱山へと続く石段を、昇っては降りて。
初めに金を掘り出したのは、何という名の鉱員だったか。
やがて採掘量の降下とともに鉱山は閉山を迎え、
街には猫と子どもと老人と空き家だけが残った。
これは「九份」の山間に佇む、古風な茶坊の物語。
むかし、鉱長の屋敷であった、静かな茶坊の物語である。

台湾北部的“九份”,
让我们去看看曾经由于金矿而繁荣的这座城市。
从山麓到矿山的石阶,爬上又爬下的。
想着那第一位挖出金的矿工是叫什么名字的呢。
然而由于开采量的下降,迎来了矿山的关闭,
街上剩下的只有猫,孩子,老人和没人住的屋子。
这是静静得立在“九份”之山间的一个古式茶坊的故事。
曾是矿长的宅院,现成为了宁静茶坊的故事。

農夫と画家

农夫和画家

閉山から20年後の1991年。
ひとりの画家が「九份」に茶坊を開いた。
彼の名前は洪志勝/Hung Chi-Sheng
1962年、彰化に生を受けた画家である。

「大きくなったら…」子供の頃の夢はふたつ、
ひとつは農夫になること、もうひとつは画家になることだった。
彼は農夫にはならなかったが、彼は芸術においても創作とは
農夫が水草を求めて、歩く牛を引くのと同じであると考えている。
(『九份茶坊』公式パンフレットより)

『九份茶坊』公式パンフレット

『九份茶坊』公式パンフレット

茶坊を開く前、彼は「九份」の声を聴いて周った。
老人から子どもまで、その土地に残った者たちの声。
そのひとつひとつを「牛を引く」ように集めたあとで、
【九份茶坊】の創設へと向かった。
街に残された、最古の屋敷を買い取って、
景観をみださぬよう、古くからの趣はそのままに。
開設後、彼の創った茶芸の空間には、
たくさんの人々が寄り集まったという。

封山20年后的1991年。
一个画家在“九份”打开了一家茶坊。
他的名字是洪志胜/ Hung Chi – Sheng
是一位1962年出身在彰化的画家。

兒時「我的志願」
一是當農夫;另一個是畫家
農夫沒當成
但也像農夫趕牛,為藝術創作逐水草而行
(『九份茶坊』官方宣传册)

在开茶坊前,他走遍了“九份”,听遍了那里的声音。
从老人到孩子,在那个土地留下的声音。
当他收集完那一个个声音之后,
开始了“九份茶坊”的第一章。
他买下了被留下的房子里最古老的那间,
为了不破坏景观,保持了所有自古以来的氛围。
开门后,他创作的茶艺空间,
聚集了很多人们。

「茶・陶・画」

「茶・陶・画」

「茶・陶・画」、当店の経営理念

「茶・陶・画」、当店の経営理念

「九份」から台北そして彰化へ。
天空の街に茶坊ができた、その噂は瞬く間に国中に伝わり、
彼の夢もまた、季節とともに現実となっていった。

九份茶坊に集まる人は増え、芸術活動もどんどん活発になっていった。絵を描き、茶芸館を軌道にのせ、陶の創作にも着手した。
そして陶工坊を創立した。続いて、夢だった「天空の城」を開店した。更に、九份芸術館を創立した。ここに人々が集い、文化、芸術の交流ステーションとなり、アイデアを語り合い、互いに支え合い、ここ九份で新しい命を創造する。(『九份茶坊』公式パンフレットより)

芸術館内観

芸術館内観

「芸術館」に自らと同志の絵を飾る。
「陶工坊」で捏ねた土を焼き上げる。
そして【九份茶坊】で心と身体を温める。
「茶・陶・画」、のれんに描かれた3色の漢字は、
彼の夢そのものだったのかもしれない。
緑・赤・青。それぞれの空間を行き来しながら、
人知れず、画材を持って、茶坊の外へ。
「九份」の自然を前に、絵筆を取って。
その時、彼は虹と親しむ画家に化ける。

从“九份”到台北然后彰化。
天空之城里新开了家茶坊,这谣言一瞬之间传遍了全国各地,
他的梦想也伴随着季节而结了果。

九份茶坊的人文藝術生命更加蓬勃
一直在畫,续是茶,再玩陶,於焉創立陶工坊
繼而實現夢想的「天空之城」,環有九份藝術館
讓人文可以薈萃藝術可以交流
在九份有一處創作生命可以相互取暖
情感可以互動的平台(『九份茶坊』官方宣传册)

陶工坊内観

陶工坊内観

“艺术馆”里,装饰着自己和伙伴们的画。
“陶人坊”里烧着和制好的土。
然后在【九份茶坊】哪儿温暖心身。
“茶・陶・画”,这仅仅的3个字里,
也许他梦想的所有要素吧。
绿•红•青。在各个空间之中,
无人知晓着,拿着画材,来到了茶坊外面。
观望着“九份”的自然,拿起了画笔。
那间,他忽然成为了和彩虹和最亲近的画家了。

猫と創作家

猫和创作家

【九份茶坊】に居座る幾匹もの猫。
鳴くことも去ることもなく、
永遠に一点を見つめている。
猫のオブジェ 作:吉村みどり

猫のオブジェ 作:吉村みどり

それぞれの姿を見つめ直すと、
すべての色合いが別々なのだと気付いた。
造り手の名前は吉村みどり/Yoshimura Midori
2000年に滋賀から「九份」へと移り住んだ
陶や銅を素材としたオブジェの創作家。
そして、今回の物語の語り手でもある。

この建物にしても、昔から残っているものって本物が多い気がします。ですので、要らないモノは取る。基本的にモノは足さないというのが店内のコンセプトですね。構造的に致し方ない場合でも、何かあれば、それを解決するために工夫をして、同時に機能を持たせるというのが好きなんです。(九份茶坊:吉村みどりさん)

語り手の話と【九份茶坊】の内観。
その調和を見聞きしながら、別の世界のことを想った。
もし、あの『猫』がこの茶坊に忍び込んだとしたら。
1905年、東京の小説家によって描き出された
あの主人公が、いまここに現れたとしたら、
彼はどこに目を向けて、何を考えたのかと。

【九份茶坊】的几只猫。
它们不出声,不咬人,也不离走,
永远地凝视着一点。
重新审视了它们的身影,
才发现它们的颜色都是不同的。
制作者是吉村みどり/ Yoshimura Midori
2000年从滋贺移住到了“九份”
她是位用陶和铜作材的创作家。
也是这次故事的叙述者。

包括这家房子,自古至今的东西我想很多都是真东西。所以,不需要的东西就取掉。店内的布置是以基本上不添东西而形成。结构上的情况之下,如果有什么不得已,也会想办法让它同时可以起什么功能。这点我很喜欢(九份茶坊:吉村みどり)

九份茶坊内観①

九份茶坊内観①

叙述者的话和【九份茶坊】的内观。
我看着听着这些和谐的同时,想起了另一个世界。
假如,那只『猫』潜入了这个茶坊。
1905年,东京的那位小说家描述出的
那个主人公,如今如果就在这里出现了,
他会看到些什么,又会想些什么呢。

九份と茶坊の物語

九份和茶坊的故事

テーブルの中央に埋め込まれた囲炉裏。
その上に火鉢を置いて、お湯が沸いたら急須へ。
気付けば、また語り手にお茶を注いでもらっている。
急須から陶の茶碗へ。これで何煎目だろう。

お茶って時間がゆっくり流れるんですよね。1回の茶葉で、最低でも7、8煎は入るので。その時間の中で、普段しゃべらないことをしゃべったり、考えもしなかったことを考えたり。茶器のセットがひとつあるだけで、そんな時間が持てる、そんな生活が送れるということは、これからも提案していきたいと思います。

凍頂烏龍茶とドライフルーツ

凍頂烏龍茶とドライフルーツ

彼女と茶坊の物語。聴いているあいだに、
いつしか時間を忘れてしまった。
日常から離れたまま、時計の針を巻き戻す。
「九份」で、初めに金を掘り出した鉱員。
彼/彼女はどこからやってきたのか。
黄金の記憶を、どんな場所で、誰に話したのか。

残念ながら、ここで物語は終わっている。
ただ、聴き終わったあとも想像は残った。
これはひとりの創作家による「九份」の物語。
あるいは、茶芸を愛した【九份茶坊】の物語である。
続きはまた、未来の誰かが聴く/語るだろう。
(1996年、『猫』を上海に飛ばした、あの小説家のように)
そして、それはわたし/あなたかもしれない。

埋在桌子中央的地炉。
上面放着火盆,热水沸腾后倒入小茶壶里。
才注意到,叙述者又在哪儿泡茶了。
从茶壶到陶制茶碗。这已经是第几壶了。

茶带来的时间真的很慢。茶叶一次最少可以沏7,8回。在这个时间里,说说平时不想说的话,想想没考虑过的事。只要有一套茶具,就能拥有这样的时间,能过这样的生活,这些都是我今后继续会提倡的。

她和茶坊的故事。听着听着
不知不得的忘记时间。
离开着日常生活,让我们把钟的指针倒转。
在“九份”第一个挖到金的那位。
他/她是从哪里来的?
又在什么地方,向谁说了那些黄金记忆?
很可惜,故事在这结束了。
只是,听完后不停得想象。
这是一个创作家的“九份”故事。
或者说,是爱茶艺的【九份茶坊】的故事。
接下来还会有将来的某人继续听/说的吧。
(就像1996年、那位把“猫” 放飞去了上海的小说家一样)
那可能是我/你也说不定。

九份茶坊内観②

九份茶坊内観②

Place info:
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九份茶坊
〒224 台湾新北市瑞芳区基山街142号

電話: +886-2-2496-9056
時間: 月曜日~金曜日 9:00 - 20:00/土曜日・日曜日 9:00 - 22:00
交通: 台湾鉄道「瑞芳駅」からタクシーで20分/MRT「忠孝復興駅」近くのバス停から直通バスで90分
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